余談ですが、母が財布を無くすのは3回目です。
スペインに住んでいると何かとスペイン人に文句を言いたくなる事が多い。
親しい日本人と集まって話していると「大スペイン人悪口大会」になる事もある。
つい一週間前、私は地下鉄の中で財布を掏られてしまった。
気がついたら財布だけがなかったのだが、最近とみに記憶力の薄れている事を自覚している私は「会社に置き忘れたかも」とその日は何もしないでいた。
翌日、会社に行ってみると財布はなく、あわてて銀行にカードストップのために走った。電話でも受け付けているがそういう時は下手なスペイン語がますます出なくなるので、顔見知りの銀行員に頼んだほうが早いのだ。
案の定「あー、使われてるね」と言われたときは顔が青ざめたが、地下鉄の回数券2枚だけで12ユーロの被害で済んだ。その後、警察で届けを出し、いつも頼んでいる弁護士に身分証明の再発行依頼をしてトボトボ会社に戻ったときには結構疲れていた。
何しろ去年の夏に財布をタクシーに置き忘れてとうとう出てこなかったのだ。一番大事な身分証明のカードの再発行は、引っ越した事もあり住所変更だなんだで4ヶ月もかかったのだ。
現金はいつもたいして入っていないし、銀行のカードは暗証番号がわからなければ、普通は大きな被害にあう事はないからすぐ止めればよい。
そう一番問題なのは身分証明のカードなのだ。私は「身分証明のカードだけ返してくれ~!!」と叫びたかった。弁護士にも費用を払わなくてはならないし・・・
昨日のこと、郵便局から見た事がない封筒が届いた。あて先人はないし「何だろう」と思ってあけてみるとなんと私の身分証明書が入っているではないか!
カードを手にした私は思わず頬ずりしてしまった。
後で、会社のハイメにこの話をしたら「あのね、例えば道に落ちていたカードを誰かが拾うだろ。それを郵便局に持っていって頼めば封筒も送料もなしで送ってくれるんだよ」とさも当たり前のように言う。
あーーこのときほどスペイン人の良心を感じた事はなかった・・様な気がする。
私は一度ゴミ箱に捨てたこの封筒を大切に取って置くことにした。
「スペイン人なんて・・」と頭にきたとき眺めるためにだ。