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人っていいなと思える本(天才柳沢教授の生活)

漫画家さんっていうのは、すごいなあと思います。ストーリーも考え、しかも絵も描けちゃうんですから。 カタブツの柳沢教授が主役のこの「天才柳沢教授の生活」は笑いあり、しみじみとしたものありで、とっても好きな漫画です。

「空は青い」とか「金魚は赤い」とかと同じ感覚で、
世の中には常識という枠にはめ込まれていることが、多くあります。
「子どもは無邪気なものだ」「勉強はつまらない」「中年はくたびれている」
「学生は遊んでいる」「主婦はお気楽だ」(ドキーッ!笑)
でも、子どもは無邪気な子ばかりではないし、かっこいい中年も世の中にはいっぱいいるように、
本当は、「そうではない」ということがたくさんあることも、世間の人は知っているはずです。

世間の常識だけではなく、人は無意識のうちに「自分にも枠をはめてしまいがち」です。
疲れているから、若くないから、恥をかきたくないから、始める前からの言い訳は私もたくさんあります。
でも、自分の気持ちがとらわれてしまっていないでしょうか?
自分にとって一番大切なことは何でしょうか?
この漫画を読むと、「世間(自分)の常識にとらわれないことは、こんなにも自由で世界を広げてくれるのか」と、
勇気を与えてくれるおもしろい漫画だと、感心しながら読んでいます。

この写真は「花の名前」というの回の、私の一番好きなシーンです。
大学で若くして経済学部の教授になったこの女性は、
年をとり、体を弱くした植物学者の名誉教授の夫を気遣い、惜しまれながら教授の職を退きます。
彼女の才能をとても見込んでいた柳沢教授は、彼女が大学を去る前に残した言葉、
「学び、知り、教えることの再出発」を確認しようと、彼女の家を訪れます。

柳沢教授 「私は、現在のあなたの置かれている状況を見て、
       やはり、あなたのことを惜しいと思います。大学にはどうしても戻られないのですか?」

大沢教授 「柳沢教授 私今、植物学では大学院級なのよ。40年前から見てきたはずなのに、
       ちっとも知らない花がたくさんあるのよ。学ぶことへの誘惑は大きいわ。」
       「あの人が植えた草や花や木。少しでも多く名前を知りたいと思っているうちに、
       植物学が好きになってしまったんです。」

ーそこへ、大沢平治名誉教授が来るー

大沢平治名誉教授 「洋子、洋子。読みかけの本は、どこに置いたっけ?」

大沢教授 「このテーブルの上にありますよ。」

大沢平治名誉教授(柳沢教授へ「やさしい経済学」の本を見せながら)
       「ははは、見ましたか?まだ入門書から抜けられませんよ。」

大沢教授 「私は植物学、平治さんは経済学よ。
       私たち、学生に教えるレベル目指して、今、勉強中なの。私の方が断然リードよ。」


「常識にとらわれず、疑問を持ち続ける」柳沢教授の漫画から伝わってくるものは、私にとってとても大きいです。
筆者の山下和美さん、本当にすごいと思います。
『天才柳沢教授の生活』(Amazonのページにとびます。)

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2004年11月30日 18:05に投稿されたエントリーのページです。

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