« 将来を約束されたタオル | メイン | 全国でただ一人?! »

小説と秋の午後

山田詠美さんの文章が好きです。
本当に好きな作家さんの場合、すべてを読んでしまうのがもったいなくて、少しずつ買って、それを何度も読みかえしていたい。
デビュー20周年というこの「風味絶佳」の文庫を、秋の日差しがポカポカと差し込む午後の電車の中で読みました。
fuumizekka.jpg

入り口すぐ横、私の左隣の二十歳前後の女の子は、ポーチからたくさんの化粧品をのぞかせながらお化粧していました。
右隣に座ったスーツ姿のOLは、座るなりカロリーメイトを取り出して食べ始めました。
新発売のメープル味の甘い匂いが漂いました。
私は、じっと本を読んでいました。
なんだか、この両側からの香りが詠美さんの小説にいいアクセントだなと思っていました。

駅について大勢人が乗ってきたときに、左隣の女の子はバタバタっとポーチを片付け、「ここにどうぞ」と、スマートに年配の女性に席を譲りました。
その時「ああ、やっぱり山田詠美さんが若い子を主役にした小説を20年たった今も書き続けるのは、こういう面白さがあるからなんだな」と、瞬間的に思いました。

小説に出てくる森永のミルクキャラメル、駅の売店で買って帰りました。

家で読む、外で読む、図書館で読む・・・読書をするにもいろんな場所があるけれど、
その時の光、匂い、音も本の魅力の一部になることがあるのだなあと思いました。

読書の秋ですね。
今年はめがねが必要で、ちょっと悲しいです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.redolog.net/mt/mt-tb.cgi/3927

コメント (2)

玲子:

先日ほんとに久しぶりに映画館で映画(子供向けでない)を観ました。暗い部屋
でスクリーンと向かい合っているといつの間にかその中に吸い込まれてしまってい
て、映画が終わって外に出た時に自分が宙に浮いているような不思議な感覚になる
、その感覚が好きだったりします。

読書だと耳に入る音やふと顔を上げた時に目に入る光景が、本の世界の一部にな
ったりするんですね・・・。ということは読むたびに違った世界の風景に出会えそ
うで、楽しいですね。

私も今度は「大人の読書」したくなりました。

はるみ:

日々の忙しさの中、家の中で読書に集中する時間ってなかなかありませんよね。
私は移動の電車の中が一番落ち着く場所になっています。
玲子さんはどこが一番好きな場所でしょう?

読書は一人でするものだけど、
映画とか食事は誰と一緒だったか?っていうのも美味しさとか感動とか、思い出
の一部になりますね。
玲子さんが作ってくれた山菜のてんぷらとか、ウニのパスタとか、みんなと飲ん
だワインとか、味とともに思い出すものがいっぱいあります。

最近では、時々行く映画も一人で行く事が多くなりました。
家族もそれぞれ趣味が違って、別行動です(笑)
映画館を出る時の不思議な感覚、わかります!私も映画を観に行きたくなりまし
た。

コメントを投稿

About

2009年11月 2日 12:10に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「将来を約束されたタオル」です。

次の投稿は「全国でただ一人?!」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。