本を借りて、数行読んで「これは読めないなあ」と思う本、
するすると物語に引き込まれる本、
自分に合ったリズムというものがあるんだなあと最近感じていました。
清水義範さんの小説「死神」、清水さんの小説は初めて読んだのですが、
不思議な引力を感じました。
解説に島村洋子さんが書かれていた文章を読んで、それが何だか腑に落ちました。
==以下引用==
「小説」というものは「筋が面白いから」「文章が素晴らしいから」などという単純な理由で読まれるものでは多分、ない。
「生理に合うから」という理由が一番、大きかったりするのだ。
句読点の位置、文章の流れ、そいういうものが生理に合う小説を読んでいると、それはそれは心地の良いものである。
そこには波瀾万丈の物語があってもよし、なくてもよし、そこに教訓があってもよし、なくてもよし、どこにも引っ掛からずただ次の行、次の行に視線が流れていく小説が誰にとっても一番いい小説なのだと私は思う。====
音楽も絵画もお笑いも、小説も人それぞれの好みがありますね。
人がどんなに良いと勧めてくれても、無条件に共感できることは少ないです。
自分に合ったものというのは理由もなく面白い。
少し前までは、無理をしてでも本に求めるものがあったけれど、
これからは心地よさも読書の楽しみにしてみたいと思います。