2007年12月30日

延し棒を作る


蕎麦道具には様々なものがあるが、素人でも比較的挑戦しやすい麺棒(延し棒)作りに挑戦した。
麺棒は蕎麦道具店で購入するとピンきりであるが、材質によってかなり高価なものもあり中には装飾性を優先したものもある。また木の材質によって固いもの柔らかいもの、重いもの軽いものがある。しかし麺棒にはヒノキ(桧)やヒバが一番適しているというのが一般的である。
ヒバは別名アスナロと呼ばれており 『明日はヒノキになろう』という物語もある位でヒノキに比べると色合いや香気が劣ると言われている。しかし値段がヒノキに比べて安い割りに保存性や緻密性が高く木工品や建築材にも多く使われており、麺棒としても広く普及している。
ヒノキは『木曽桧』や『尾州桧』のブランドが確立しているくらいで木目が緻密、清楚な色合いと香気、光沢に富んでいて加工しても非常に美しいのが特徴で木材の王様とも言われている。保存性も良く、法隆寺や薬師寺、また伊勢神宮の建築材に使われていることからもそれが窺われる。
ヒノキの麺棒は当然値段も高く購入したら大事に扱いたいところであるが、蕎麦打ちをしている間にどうしても傷や打痕をつけてしまうので、何本かあっても決して邪魔にならない。ヒノキの麺棒を自作している方は多く、ネットで検索しても数多くヒットする。それらも参考にして作成を開始した。またヒノキと木の特性を比較するためにエゾ松の延し棒も作成した。

 まずはヒノキの角材を購入する。ただし一般のホームセンターではなかなかヒノキを扱っていない。 ホームセンターで多いのはエゾ松とラピアタ材などの輸入材が中心となる。 今回も少し遠くに足を伸ばして木材の種類を多く扱っているホームセンターで購入した。ヒノキの角材は店によっても値段は異なるが90㎝×3㎝角でだいたい500円~600円といったところになる。ちなみにエゾ松などは300円~400円である。角材は通常長さ90~91㎝または180㎝~182㎝にカットされたものが売られているので、90㎝以上の長さの麺棒(巻き棒)を作る場合には180㎝台のものを購入し好みの長さにカットする。角材によって木目の良し悪し、節目の有無などがあるのでまとめ買いをして良さそうな角材を選んで加工を始める。

 
製作に必要な道具は①鉋(かんな)②やすり類③鋸(のこぎり)の他に定規や角材を固定する台などが必要である。インターネットで他の方の作成を読んでいるとキレイな真円形を出すために直径3㎝強の鉄パイプをカットしたものがあると良いとなっていたが、それは手に入らなかったので、今回は省略する。
適当な角材を選んだら定規を使いカットするラインを鉛筆で「墨出し」していく。最終は円形にするのだが、鉋は直線のカットしかできないので、8角形→16角形となるように「墨出し」する。

「墨出し」の線にそって鉋をかけていく。ヒノキ材は比較的柔らかいので鉋は楽に使える。鉋の作業は1時間程度で終わり比較的楽な作業である。ただし削り過ぎないよう注意が必要。16角形ができた後はできるだけ真円を崩さないように気をつけながらさらに鉋で面取りをしていく。
こうして荒仕上げの丸棒ができあがり次は紙やすりでさらに綺麗な円を目指して表面をなめらかのしていく。紙やすりは60番か80番から始め100番→200番→400番→800番→1000番と細かい目のやすりに段々と変えていきながら表面をなめらかにすると共に真円になるように調整していく。鉋を使うようこの作業の方が手間がかかる。最終的には住友3Mのスポンジ研磨剤を使いさらに表面を仕上げてできあがる。作業中はヒノキの良い香りが漂い、通常は胡桃油やおから、豆乳などで仕上げるのが一般的であるが、今回はあえて木の素材を生かしたくて徹底的に磨きあげてしあげることにした。スポンジ研磨材を使うと相当レベルで表面が綺麗に仕上がるので特に胡桃油などで表面をコーティングしなくても良いようだ。
ヒノキと同時にエゾ松も工作したが、木の特性からかヒノキの方が加工しやすい上に木目の美しさや香気、仕上がり具合までも優れていたと思う。

<冒頭写真解説>
 自作の「麺棒掛け」に置いた延し棒各種
 上段はエゾ松、2段目はラジアタ、3段目ヒノキ、下段は市販のヒバ麺棒(胡桃油で仕上げてある)


投稿者 ishigaki : 17:39